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<Author: 杜甫>
<Title: 詠懷古跡五首 一>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 古蹟を詠懷 五首 其の一>
<BookPage: 386>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
支離東北風塵際，
漂泊西南天地間。
三峽樓臺淹日月，
五溪衣服共雲山。
羯胡事主終無賴，
詞客衰時且未還。
庾信平生最蕭瑟，
暮年詩賦動江關。
<End Poem>
<Translation>
東北（とうほく）にある長安（ちょうあん）に戦乱（せんらん）が起（お）こった時（とき）、一族（いちぞく）離散（りさん）して、西南（せいなん）のこの菱州（りょうしゅ）の天（てん）と地（ち）との間（あいだ）に、わたしはただよいさまよいだした。ここ三峡（さんきょう）の楼台（ろうたい）西閣に、もう長（なが）い間（あいだ）滞留（たいりゅう ）しており、五溪地方（ごけいちほう）の五色（ごしき）の衣服（いふく）をまとう蛮族（ばんぞく）たちと、雲（くも）のかかった山（やま）の下（した）に、ともに生活（せいかつ）している。

北方（ほっぽう）の異民族（いみんぞく）安禄山（あんろくざん）・史思明（ししめい）などは、天子（てんし）にお仕（つか）えして、けっきょくは、あてにならないやからであった。詩（し）の作者（さくしゃ）であるわたしは、乱世（らんせい）を悲（かな）しみつつ、いまだに故郷（こきょう）に帰（かえ）ることができない。この江陵（こうりょう）に故宅（こたく）を残（のこ）す庾信（ゆしん）は、昔（むかし）、南朝梁（なんちょうりょう）から、転（てん）じて北周（ほくしゅう）に仕（つか）える身（み）となり、この世（せ）で最（もっと）もさびしい境遇（きょうぐう）にあったその晩年（ばんねん）の詩賦（しふ）に、望郷（ぼうきょう）の情（なさけ）を詠（えい）じては、江南（こうなん）・関中（かんちゅう）の南北（なんぼく）両地方（りょうちほう）の人々（ひとびと）を、深（ふか）く感動（かんどう）させたものであった。
<End Translation>